着圧ソックスの下に履くもの|インナーソックスの是非と注意点
着圧ソックスの重ね履きは、原則として「着圧同士を重ねない」のが基本です。
重ねるなら、内側に薄手のシルクや綿の靴下、外側に着圧という順番にします。
着圧を2枚重ねると圧が単純に足し算されないまま局所的に強くなり、食い込みや圧迫感の原因になります。
ここで多いのが「圧が強いほど効くはず」という誤解です。
着圧製品は足首を最も強く、上にいくほど弱くする段階圧で設計されているものが多く、この圧の勾配が崩れると設計どおりに働きません。
重ね履きは保温や肌当たりの改善が目的で、圧を足すためのテクニックではない。
ここを取り違えると、履き心地が悪くなるだけで終わります。

靴下Lab編集部
靴下Labは、「快適な足元から、毎日の生活をもっと豊かに」をテーマに、靴下に関するあらゆる情報を調査・発信するメディアです。素材や機能の違い、季節に応じた選び方、消臭・防寒・健康サポートなど、靴下に関する疑問をわかりやすく解説しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
着圧ソックスの重ね履きの基本手順
順番と、履くタイミングを決めるだけで大半のトラブルは避けられます。
脚の汗と水分を拭き取る
入浴後すぐは肌が湿っていて、生地が滑らず引き上げにくくなります。水分を拭き、少し落ち着いてから履くと生地を無理に引っぱらずに済みます。
内側に薄手の靴下を履く
シルクや薄手の綿を先に履きます。
着圧生地が直接肌に当たらないので、かゆみや擦れが出やすい人には有効です。
厚みのあるパイル編みは避けたい。
ループ状の糸がかさばり、上に重ねた着圧の圧のかかり方が変わります。
着圧側は手繰り寄せてから足を入れる
履き口から一気に引き上げるのではなく、生地をかかと部分まで手繰り寄せ、つま先を入れてから少しずつ上へ広げます。一点を強く引くと繊維が伸び、そこだけ圧が抜けます。
かかとの位置を合わせる
かかとの編み地が実際のかかとに来ているか確認します。ここがずれると、足首の一番強い圧がふくらはぎ側に上がってしまい、段階圧の設計から外れます。
しわを伸ばして終わり
すね・ふくらはぎ・足首のしわを、手のひらでなでるように広げます。
しわが残った部分は圧が二重にかかる。
折り返して丈を短くするのも同じ理由で避けます。
順番を逆にすると何が起きるか
着圧を内側、普通の靴下を外側にすると、着圧そのものは働きますが外側の靴下が滑って動きます。
歩くうちに外側だけがずり落ち、履き口が足首でだんごになる。
そこに圧が集中して赤い跡が残ることがあります。
より問題なのは着圧を2枚重ねる場合です。
圧は単純な合計にはならず、生地の重なり方で偏ります。
足首だけが極端に締まり、ふくらはぎはゆるいという逆勾配になることもある。
締めつけが強い状態を長時間続けると、しびれや痛みを感じる人もいます。
違和感があれば脱ぐのが先です。
丈の合わないものを重ねるのも失敗しやすいところです。
ハイソックスの着圧の下に、履き口が同じ高さのハイソックスを重ねると、ゴム部分が重なって輪状に食い込みます。
内側は着圧より短い丈にするか、履き口の位置が明確にずれるものを選びます。
締めつけの副作用については着圧ソックスのデメリットと注意点もあわせて確認してください。
着圧ソックスの重ね履きでよくある失敗と直し方
靴に入らなくなる
2枚分の厚みが増えるので、普段の靴では甲が窮屈になります。
内側をシルクなどの極薄に替える、または靴を0.5cm大きいものに替えるのが現実的な対処です。
つま先が圧迫されたままでは、そもそも脚全体の血流に良くありません。
内側の靴下だけが下がる
着圧側の摩擦で内側が引きずられて起きます。
リブ編みのように畝があって伸縮する内側靴下を選ぶと、ずれにくくなります。
5本指を内側にするのも一つの手で、指で固定されるぶん回転しにくい。
足首にくっきり跡が残る
しわ、履き口の重なり、サイズが小さすぎるのいずれかです。
まずしわを伸ばし、それでも残るならサイズ表記を見直します。
22-24cmのようなレンジ表記は靴のサイズと1対1では対応せず、同じ表記でもメーカーによって実寸が違います。
汗で内側が湿ったまま
2枚重ねると水分が逃げにくくなります。
汗そのものはほとんど無臭ですが、皮膚の常在菌が汗や皮脂・角質を分解するときに生じる物質がにおいの元になるため、湿った状態が続くほどにおいやすくなる。
内側は吸湿性のある綿やシルクにし、1日1回は履き替えます。
着圧が弱くなった気がする
伸縮を担うポリウレタンは劣化します。ゴムがゆるんだ着圧ソックスに厚手を重ねても圧は戻りません。買い替えの判断が先です。
用意しておくと楽なもの
特別な道具は要りません。ただし、あると手順が安定します。
| もの | 役割 | 代用 |
|---|---|---|
| 薄手の綿手袋 | 着圧生地を面でつかめる。爪で引っかけない | ゴム手袋(滑り止め付き) |
| ソックスエイド | 前屈がつらい人が足を入れる補助 | — |
| 洗濯ネット | 洗濯機で生地が引っぱられるのを防ぐ | 手洗い |
| 爪やすり | 爪の角で生地を裂かないため | 爪切り後に断面をならす |
指先の乾燥やささくれも生地を傷める原因です。
履く前にハンドクリームを塗ったなら、油分が生地に移らないよう手を拭いてから触ります。
前屈がしにくい人はソックスエイドの使い方と選び方を参考に、補助具を使うほうが安全です。
どんなときに重ねるべきか、頻度の目安
重ね履きは常時やるものではなく、条件を満たしたときだけの手段です。
向いているのは、冬場の保温を足したいとき、着圧生地が肌に合わずかゆみが出るとき、長時間の立ち仕事で擦れが気になるときです。夏場に室内で過ごすだけなら、重ねる必要はほぼありません。
着用時間は製品の指示に従います。
日中用と就寝用は圧の設計が違い、日中用をそのまま寝るときに使うのは想定外の使い方です。
就寝時に重ねるなら、内側は締めつけのない極薄のものにとどめる。
脚に圧をかけた状態で長時間動かないので、跡や違和感が出やすい時間帯だからです。
洗濯は1回の着用ごとが原則です。
汗を吸ったまま置くと菌が増え、抗菌加工があってもにおいの発生を完全に抑えるものではありません。
2〜3組をローテーションすると、1組にかかる負担が減って圧の持続にも有利です。
何をどこまで期待できるかはむくみ対策でできること・できないことを先に押さえておくと判断しやすくなります。
素材で変わる重ね履きの注意点
ウール・メリノウールを内側にする場合
保温性が高く、吸湿しても冷たくなりにくい素材です。
メリノウールは繊維が細く、チクチク感が出にくいとされています。
ただし洗濯には弱い。
中性洗剤を使い、押し洗いしてタオルで水分を取り、平置きで干します。
乾燥機は縮みの原因になります。
厚みが出やすいので、靴を履く日はやめておくほうが無難です。
綿を内側にする場合
吸湿性があり肌当たりも柔らかいので、内側に向いています。
弱点は乾きが速くないこと。
2枚重ねの内側は特に乾きにくく、湿ったままだと蒸れます。
汗をかいた日は帰宅後すぐ脱いで、内側だけでも交換するとよいでしょう。
洗濯は通常でかまいませんが、漂白剤は生地を弱めます。
シルクを内側にする場合
薄手で吸湿性があり、重ね履きのインナー側によく使われます。
厚みが出ないので靴にも収まりやすい。
ただし摩擦に弱く、着圧生地とこすれる部分から薄くなります。
手洗いを基本にし、洗濯機を使うならネットに入れて弱水流にします。
外側の着圧製品の洗い方
着圧側は熱と柔軟剤に注意します。
高温の乾燥機はポリウレタンの劣化を早め、圧が落ちる原因になります。
柔軟剤は繊維をなめらかにするぶん、滑ってずれやすくなることがある。
陰干しで自然乾燥が基本です。
メディキュットのシリーズごとの違いのように用途別のラインがある製品では、洗濯表示もラインごとに異なります。
よくある質問
着圧ソックスを2枚重ねれば圧は2倍になりますか
なりません。
圧は単純な足し算にならず、生地の重なり方で局所的に偏ります。
足首だけが強く締まって段階圧の勾配が崩れることもあり、設計された働き方から外れます。
強い圧が必要かどうかは、圧力の強さの見方から解説した選び方を読んで判断してください。
医療機関で処方された弾性ストッキングに重ねてもいいですか
自己判断で重ねないでください。
弾性ストッキングは一般向けの着圧製品とは目的も設計も違います。
重ね方や併用の可否は処方した医療機関に確認してください。
違いの全体像は弾性ストッキングと着圧ソックスの違いにまとめています。
5本指ソックスを内側にしてもいいですか
問題ありません。
指の間に布が入るので汗を受け止めやすく、指同士が擦れません。
ただし指の分かれ目の厚みが加わるため、つま先の余裕が少ない靴では窮屈になります。
足袋型は親指とそれ以外の2つに分かれる形で、5本指とは別物です。
スポーツのときに重ねてもいいですか
運動中は足の動きが大きく、2枚がずれてしわになると靴擦れの原因になります。
競技用は1枚で完結する設計のものを選ぶのが基本です。
丈と機能の考え方は競技別に変わるスポーツソックスの選び方を参照してください。
跡が消えないときはどうすればいいですか
まず着用をやめ、サイズと丈を見直します。
しびれや痛み、色の変化が続く場合は着圧製品の使用を中止し、医療機関に相談してください。
持病がある人は使う前の確認が必要で、着圧ソックスを履かない方がいい人の条件も確認しておくと安心です。
まとめ
重ね履きは、内側に薄手の非着圧、外側に着圧。
この順番を守り、かかとの位置を合わせてしわを伸ばす。
それだけで失敗のほとんどは防げます。
目的は圧を足すことではなく、保温と肌当たりの改善です。
着圧同士を重ねる、丈の同じものを重ねる、しわを放置する。
この3つを避け、内側の素材は靴の余裕と汗の量から選びます。
跡やしびれが出るなら、それは重ね方ではなくサイズか圧の選択自体を見直す合図です。


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