弾性ストッキングと着圧ソックスの違い|どちらを選ぶか

弾性ストッキングの売り場には、膝下丈・太もも丈・パンストタイプが同じ棚に並び、パッケージにはmmHg(水銀柱ミリメートル)という単位の数字が書かれています。この数字は主に足首にかかる圧の強さを表し、値が大きいほど強く締まります。
市販の着圧ソックスと形は似ていても、弾性ストッキングは医療機関で治療の一部として使われることがあり、圧の強さを好みで決めるものではありません。本記事では、市販の着圧ソックスとの違い・丈とつま先の形の選び分け・サイズ表記の読み方・洗濯で圧が落ちるまでの目安を解説します。

靴下Lab編集部
靴下Labは、「快適な足元から、毎日の生活をもっと豊かに」をテーマに、靴下に関するあらゆる情報を調査・発信するメディアです。素材や機能の違い、季節に応じた選び方、消臭・防寒・健康サポートなど、靴下に関する疑問をわかりやすく解説しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
弾性ストッキングと市販の着圧ソックスは何が違うのか
どちらも脚に圧をかける製品で、足首をいちばん強く、上にいくほど弱くする段階圧の設計が使われます。
ここまでは共通です。
分かれるのは何のために圧をかけるかという目的で、弾性ストッキングは下肢静脈瘤やリンパ浮腫、手術後の血栓予防といった場面で、医療機関が圧の強さと丈を指示して使われることがあります。
市販の着圧ソックスは、日中や就寝時の着用感を想定した一般向けの製品です。
そのため、店頭で「弾性ストッキング」と表示されているものと、一般向けの着圧ソックスを同じ基準で比べても選べません。
前者は指示された圧に合うものを探す買い方、後者は着け心地と丈から選ぶ買い方になります。
一般向けの製品でできること・できないことは着圧ソックスの効果とむくみ対策で解説しています。
なお、脚の重さや腫れが続いている、片脚だけ太さが変わった、皮膚の色が変わったといった状態があるときは、製品を選ぶ前に医療機関に相談してください。原因によって、必要な圧も必要な丈も変わります。
圧の強さは自分で上げるものではありません
選ぶときに最初に決まるのが圧です。
mmHgの数値が大きいほど締まりは強くなりますが、強いほど効くという性質のものではありません。
強い圧の製品は履くだけでも力が要り、生地が寄って一か所に食い込むと、その部分の皮膚に負担が集まります。
医療機関から圧を指示されている場合は、その値に合う製品を選んでください。
指示がないのに強圧の製品へ飛びつくと、締めつけが痛くて履かなくなるか、履き口が食い込んで跡が深く残る使い方になりがちです。
糖尿病や動脈の疾患、皮膚の炎症がある場合は、自己判断で圧の強い製品を使わず、医療機関に相談してください。
市販の着圧ソックスを日常のケアとして使うなら、圧の値そのものより、一日履き通せるかどうかで判断したほうが現実的です。シリーズごとに用途が分かれている製品もあり、日中用と就寝用の違いはメディキュットのシリーズの違いで解説しています。
弾性ストッキングの丈は3タイプに分かれます
丈が変わると、覆う範囲だけでなく着脱の手間とずり落ちやすさも変わります。
膝下(ハイソックス)タイプ
ふくらはぎの上あたりまでの丈で、3タイプの中では最も着脱が楽です。
自分で毎日履き替える前提なら、この丈がいちばん続けやすいでしょう。
ただし履き口がふくらはぎの太い位置に当たると、そこだけ食い込んで輪状の跡が残ります。
太もも(ストッキング)タイプ
片脚ずつ太ももまで覆う丈です。
膝より上まで必要と言われた場合に選びます。
上端がずり落ちやすく、落ちたまま履いていると生地が膝裏でたまり、そこだけ圧が集中します。
ずり落ちを止めるための滑り止めやガーターベルトが付属する製品もあります。
パンストタイプ
腰まで一体になった形で、両脚をまとめて覆えます。
ずり落ちにくい反面、着脱はいちばん大変です。
トイレのたびに脱ぐ必要があるかどうかは形によって変わるので、パッケージで股部分の作りを確認してください。
つま先ありとつま先なしで変わること
つま先まで覆う形は足先の冷えが気になる人に向きます。
一方、つま先が開いたオープントゥ型は、足先の皮膚や爪の状態を毎日見たい場合や、指の間の蒸れが気になる場合に選ばれます。
爪が伸びていると内側の生地が引っかかって穴があくため、どちらを選ぶ場合も爪は短く整えておいてください。
オープントゥ型は履くときに専用の滑り布(スリップソックス)を使える製品もあり、足先が入りにくい人には着脱の負担が変わります。ただし開口部の縁が指の付け根に食い込むと痛みが出るので、履いたあとで縁の位置を必ず確かめましょう。
タイプ別に見る弾性ストッキングの向き・不向き
| タイプ | 形の特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 膝下(ハイソックス) | ふくらはぎ上部までの丈。着脱が最も楽 | 自分で毎日着脱する人。ふくらはぎまでで足りると確認できている人 |
| 太もも(ストッキング) | 片脚ずつ太ももまで。上端がずり落ちやすい | 膝より上まで覆う必要がある人。左右で条件が違う人 |
| パンスト | 腰まで一体。ずり落ちにくい | 両脚を同条件で覆う人。着脱を介助してもらえる人 |
| つま先あり | 足先まで覆う | 足先の冷えが気になる人 |
| つま先なし(オープントゥ) | 足先が開く | 爪や皮膚の状態を毎日見たい人、指の間の蒸れを避けたい人 |
向かない組み合わせもはっきりしています。
握力が弱く一人で履くのが難しい人が、介助なしでパンストタイプを選ぶと、履くたびに生地を強く引っ張ることになり、ねじれたまま一日過ごす形になります。
逆に、ずり落ちが毎日起きて直す手間が負担なら、太もも丈にこだわらず膝下丈で足りるかを確認したほうが続きます。
失敗しやすい選び方は2つあります
靴のサイズだけでサイズを決める
22-24cmのようなレンジ表記は足長の目安にすぎず、弾性ストッキングのサイズは足首やふくらはぎの周囲で決まります。同じ足長でも脚の太さは人によって違うため、靴のサイズだけで選ぶと、圧が設計より強く出たり、逆にゆるくてただの薄手ストッキングになったりします。
デザインや色から先に絞る
肌色のほかにブラックやベージュなど色の選択肢がある製品もありますが、色から入ると圧と丈の条件が後回しになります。
決める順番は、圧の強さ、丈、つま先の形、サイズ、そして色です。
ビジネスの場でスラックスに合わせたい場合の見え方は男性用着圧ソックスのビジネスでの見た目と圧力で解説しています。
弾性ストッキングのサイズ表記は足長だけでは決まりません
サイズを選ぶときに測る箇所は、足首のいちばん細い部分の周囲、ふくらはぎのいちばん太い部分の周囲、そして丈です。
太もも丈やパンストタイプなら、太ももの周囲も加わります。
測るのは朝が基本で、脚が張っている夕方に測ると実際より大きいサイズを選ぶことになります。
合わないときに起きることは、大きい側と小さい側で違います。
大きすぎると生地が余ってしわが寄り、そこに圧が集中して段差の跡が残ります。
小さすぎれば履くこと自体が難しく、無理に引き上げると生地が一点で伸びて、そこだけ圧が抜けます。
どちらも設計どおりの段階圧にならないため、サイズの妥協は圧の妥協と同じことになります。
男性の場合、足長に対してふくらはぎが太くレディース表記の枠に収まらないことがあります。男性向けのサイズと圧の目安はメンズ着圧ソックスの選び方で解説しています。
洗濯と乾燥で弾性ストッキングの圧は落ちます
伸縮を担っているのはポリウレタンで、この繊維は熱と塩素、油分で劣化します。
乾燥機にかける、アイロンを当てる、漂白剤を使う、柔軟剤を多用する——このどれもゴムをゆるめる方向に働きます。
洗うときは中性洗剤で手洗いか、洗濯ネットに入れた弱い水流にして、干すのは日陰にしてください。
毎日同じ1枚を洗って履くと、乾ききらないうちに次の着用が来ます。
2枚を交互に使えば1枚あたりの負担が減り、結果として長く使えます。
買い替えの目安は日数ではなく状態で、履き口が食い込まずにするりと上がるようになった、しわが寄って戻らない、生地が薄く透けてきた、といった変化が出たら圧は設計値から落ちていると考えてください。
医療機関から指示を受けて使っている場合は、交換の間隔もあわせて確認しておくと安心です。
よくある質問
市販の着圧ソックスで弾性ストッキングの代わりになりますか
なりません。
目的も設計も別で、一般向けの製品を医療用として扱うことはできません。
治療や術後の管理のために圧を指示されている場合は、その条件に合う製品を医療機関で確認してください。
就寝中も履いたままでいいですか
日中の活動を想定した製品と、就寝時の着用を想定した製品では圧の設計が違います。医療目的で使っている場合、着用する時間帯は医師の指示で決まるので、自己判断で夜間も履き続けないでください。
硬くて足が入りません。どうすればいいですか
強い圧の製品は素手だけでは滑らず、生地をつかむ力も必要です。
ゴム手袋をはめると生地を面でつかめるようになり、力の入れ方が変わります。
かかとの位置を先に合わせてから少しずつたくし上げるのが基本で、一気に引き上げると生地が一点で伸びます。
かがむのがつらい場合の道具はソックスエイドの使い方と選び方で解説しています。
妊娠中でも使えますか
妊娠中に脚の張りが出る人はいますが、腹部を締めつける形は避けたほうがよく、体調によって適否も変わります。
使う前に、かかりつけの医師に相談してください。
形の選び方は妊娠中の着圧ソックスの選び方で解説しています。
まとめ
弾性ストッキングを選ぶ順番は、圧の強さ、丈、つま先の形、サイズ、最後に色です。
圧は好みで上げるものではなく、医療目的なら指示された値に合わせます。
丈は覆う範囲だけでなく着脱の負担で続くかどうかが変わり、サイズは足長ではなく足首とふくらはぎの周囲で決まります。
洗濯と乾燥で圧は落ちていくため、2枚を交互に使い、履き口がゆるんできたら交換の時期です。
ぜひ本記事のタイプ別の比較表とサイズの測り方を参考に、自分の条件に合う一足を絞り込んでください。
脚の症状そのものが気になる場合は、製品を探す前に医療機関に相談してください。

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