登山用靴下の選び方|厚みとメリノウールの使い分けを解説
登山用の靴下を選ぶとき、最初に決まるのは厚みです。
次に素材。
この2つが決まれば候補はかなり絞られます。
丈や形状は、そのあとで靴の高さと好みに合わせて詰めていく要素だと考えてください。
なぜ厚みが先かというと、靴下は靴の中の隙間を埋める部品でもあるからです。
同じ登山靴でも、薄手を履けば足は前後に動きやすくなり、厚手にすれば甲が押されて窮屈になる。
素材の差はもっと分かりやすく出ます。
綿は吸湿しますが乾きが速くない繊維で、汗や雨で濡れたまま行動時間が延びると足元が冷えやすい。
ウールは吸湿しても冷たくなりにくいという性質があり、行動と休憩を繰り返す山では扱いやすい素材です。

靴下Lab編集部
靴下Labは、「快適な足元から、毎日の生活をもっと豊かに」をテーマに、靴下に関するあらゆる情報を調査・発信するメディアです。素材や機能の違い、季節に応じた選び方、消臭・防寒・健康サポートなど、靴下に関する疑問をわかりやすく解説しています。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
登山靴下で先に決める2つの軸
厚みは靴とセットで考える
厚みは単独では決められません。
靴の内部にどれだけ余裕があるかで正解が変わるからです。
ソールが硬く足首まで覆う重登山靴は、当たりが強く出やすいぶん、クッション性のある厚手と組み合わせる前提で作られていることが多い。
一方、ローカットのトレッキングシューズに厚手を入れると、甲が圧迫されて血流感が悪くなったり、指先が前に押し出されたりします。
靴を先に持っているなら、その靴に合う厚みから逆算するのが現実的です。
素材は濡れたあとの差で選ぶ
山では足が濡れる前提で考えます。
汗、雨、渡渉、朝露。
濡れたときにどうなるかで素材の評価が変わります。
ウール系は保温性があり、吸湿しても冷たくなりにくい。
中でもメリノウールは繊維が細く、チクチク感が出にくいとされる種類です。
ポリエステルは乾きが速く、化繊主体の製品は夏場や汗の多い人に向きます。
ナイロンはかかととつま先の補強に使われ、ポリウレタンは伸縮を出すために少量混ぜられます。
メリノウール素材の登山靴下の特徴は別記事で詳しく整理しています。
厚みで分かれる登山靴下のタイプ
薄手タイプ
パイル(糸をループ状に編んだ構造)をほとんど使わない、または部分的にだけ入れた薄い作り。
靴の中の余裕が少ないローカットシューズや、夏の日帰りに合わせやすい厚みです。
クッションは期待できません。
ソールの硬い靴と組み合わせると、足裏の当たりをそのまま感じます。
中厚タイプ
足裏やかかとにパイルを入れ、甲側は薄く編んで通気を残した構造が多いタイプ。
日帰りから一泊二日あたりまでの幅で使いやすく、最初の一足として選ばれやすい厚みです。
靴との相性の当たり外れも比較的少ない。
厚手タイプ
全面にパイルを入れ、脛まで届く丈で編まれたもの。
保温とクッションに有利ですが、そのぶん靴の中の容積を食います。
積雪期や、硬いソールの重登山靴を長時間履く場面で効いてくる厚みです。
夏の低山で履くと、汗で蒸れて逆に不快になりやすい。
重ね履き用のインナー
薄手のシルクや化繊を先に履き、その上に厚手を重ねる方法もあります。
シルクは薄手で吸湿性があり、重ね履きのインナー側に使われることが多い素材です。
摩擦を靴下同士の間で受け止めるねらいですが、靴の中がその分だけ狭くなる点は変わりません。
タイプ別に向いている人
| タイプ | 構造の特徴 | 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|---|---|
| 薄手・化繊主体 | パイルが少なく乾きが速い | 夏の日帰り、ローカットの靴、汗が多い人 | 硬いソールの重登山靴を長時間履く人 |
| 中厚・ウール混 | 足裏にパイル、甲は薄い | 三季の日帰りから小屋泊、最初の一足を探している人 | 靴の中の余裕がほとんどない人 |
| 厚手・ウール主体 | 全面パイルで丈が長い | 積雪期、縦走、冷えが気になる人 | 夏の低山、靴がきつめの人 |
| 5本指 | 指が5本すべて分かれる | 指の間の汗や擦れが気になる人 | 厚手の5本指を余裕のない靴に入れたい人 |
| 足袋型 | 親指とそれ以外の2分割 | 親指まわりだけ分けたい人 | 指全部を分けたい人 |
5本指と足袋型は別の形です。
5本指は指が5本すべて分かれ、足袋型は親指とそれ以外の2つに分かれます。
指の間に布が入るぶん、同じ表示の厚みでも靴の中では厚く感じることがある。
5本指ソックスの利点と使いにくい点を確認したうえで判断するといいでしょう。
登山靴下で失敗しやすい選び方
綿の靴下をそのまま使う
綿は吸湿性があり肌当たりも柔らかい繊維です。
ただし乾きは速くありません。
汗を含んだまま長時間歩けば、湿った布が足に張り付いた状態が続きます。
日常用の綿ソックスをそのまま山に持ち出すと、この点でつまずきやすい。
厚みを変えたのに靴の履き心地を確認しない
薄手から厚手に替えると、靴の中の余裕は確実に減ります。
靴紐の締め具合も変わる。
買い替えのタイミングで厚みを大きく変えたなら、その靴下を履いた状態で靴を試すのが前提です。
丈が靴の高さに足りていない
ハイカットの靴に、くるぶし丈やショート丈を合わせると、靴の履き口が素肌に当たります。
歩行時間が長いほど、その一点に摩擦が集中する。
丈は靴の高さより上に出るものを選びます。
着圧や滑り止めを目的の違うものと混同する
着圧設計の製品は脚に圧をかけるもので、単位はmmHg(水銀柱ミリメートル)。
数値が大きいほど強い設計です。
一般向けの着圧製品と、医療機関で用いられる弾性ストッキングは目的も設計も異なります。
着圧ソックスでできることとできないことは整理しておいたほうが混乱しません。
足裏の滑り止めについても、樹脂を付けたタイプは室内用やヨガ用が中心で、滑り止め付き靴下の作りは靴を履く前提の登山用とは設計思想が違います。
サイズ表記と丈の合わせ方
靴下のサイズは「24-26cm」のようなレンジ表記が一般的です。
靴のサイズと1対1で対応するものではなく、同じ表記でもメーカーによって実寸が違います。
レンジの上端に近い人は、洗濯後の縮みでつま先が窮屈になることがある。
逆に下端より小さい足でレンジの大きい側を選ぶと、余った布が靴の中でよれて、そこが擦れの起点になります。
厚手の登山靴下は特にこの影響が出ます。
布が厚いぶん、余りが折り重なると塊になるからです。
土踏まずのあたりを編みで締めて支えるアーチサポート構造が入った製品では、締まる位置が足の実寸とずれると効きません。
サイズ選びを迷ったら、レンジの中央付近に自分の足長が入るものを基準にします。
丈はクルー(ふくらはぎの下あたり)以上が基本の考え方です。
ハイカットの靴なら、履き口より確実に上まで来る丈。
厚手の冬用は脛の中ほどまで届く長さで作られていることが多く、これは靴の高さと保温の両方をねらった設計です。
呼び方の境界はメーカーによってずれるので、cm表記や着用写真で確認するほうが確実。
洗濯で登山靴下をへたらせない扱い方
へたりの主な原因は2つあります。
パイルがつぶれてクッションが戻らなくなること。
そして伸縮を担うポリウレタンが劣化して、履き口やアーチ部分がゆるむこと。
ポリウレタンは高温と紫外線で傷みやすい素材なので、乾燥機の常用と直射日光での長時間干しは避けたほうが長持ちします。
ウール製品は表示に従った洗い方が前提です。
洗濯機を使う場合はネットに入れ、裏返して洗うと足裏側の汚れが落ちやすい。
抗菌・防臭・消臭といった加工が入っている製品では、加工の効果が洗濯で落ちていくことがあります。
抗菌は菌の増殖を抑えること、防臭はにおいの発生を抑えること、消臭はすでに発生したにおいを減らすことをねらった加工で、それぞれ別の意味です。
どれかが入っていれば足のにおいが出ないという話ではありません。
におい自体の仕組みも押さえておくと判断しやすい。
汗はほとんど無臭で、皮膚の常在菌が汗や皮脂・角質を分解するときに生じる物質がにおいの元になります。
だから濡れた靴下を長時間履き続ける状況そのものが、においの出やすい条件です。
縦走で洗えないなら、日数分に近い枚数を持つほうが実用的でしょう。
買い替えの目安は、足裏のパイルが薄くなって靴の中で足が滑るようになったとき。
もしくは履き口が下がってくるようになったとき。
穴が空く前に機能は落ちています。
よくある質問
登山靴下は重ね履きしたほうがいいですか
必須ではありません。
薄手のインナーを先に履くと摩擦を靴下同士で受け止められますが、靴の中の余裕は減ります。
1枚で厚みを合わせられるなら、そのほうが調整は簡単です。
夏でもウール混を選ぶ意味はありますか
あります。
ウールは吸湿しても冷たくなりにくい性質があるため、汗をかいたあとに標高の高い場所で休憩する場面で差が出ます。
乾きの速さを優先するならポリエステル主体、濡れたときの冷えを抑えたいならウール混という考え方です。
5本指の登山靴下は靴に入りますか
製品の厚みと靴の余裕によります。
指が分かれるぶん、指まわりの布は1枚多く入ります。
余裕のない靴に厚手の5本指を合わせると窮屈になりやすいので、その組み合わせでは薄手側から試すのが無難です。
普段のスポーツ用ソックスで代用できますか
日帰りの低山なら成り立つ場合もありますが、丈と厚みが登山靴に合わないことが多い。
競技ごとの設計思想の違いは競技別に変わるソックスの機能で整理しています。
ハイカットの靴を履くなら、丈が足りているかを最優先で確認してください。
何足くらい用意すればいいですか
日帰り中心なら2〜3足あればローテーションが回ります。
泊まりを含むなら、行動日数に加えて就寝用の乾いた1足を分けておくと足の状態を保ちやすい。
取扱いのある丈や厚みは店舗や時期で変わるので、同じ製品を揃えたい場合は早めに確認しておくといいでしょう。
まとめ
登山靴下は、靴の中の余裕に合う厚みを決めて、濡れたときの挙動で素材を選ぶ。
この順番で考えると迷いにくくなります。
丈はハイカットの履き口より上まで来るものを。
サイズはレンジの中央に足長が入るものを基準にします。
形状は好みの領域ですが、5本指と足袋型では分かれ方が違うので、混同しないようにしてください。
そして、どのタイプにも向かない人がいます。
夏の低山に厚手は蒸れますし、硬い重登山靴に薄手は当たりが出る。
自分がどの山にどの靴で行くのか、そこを言葉にできれば選ぶべき仕様は自然に絞られます。

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